1/24 西東京読書会SF支部 第二回読書会レポ①

  • 1/24 西東京読書会SF支部第二回読書会 簡易レポ

 

こんばんは。前回のTさんの見事なレポクオリティを期待してご覧になっている方々、

先に謝っておきます。ごめんなさい。これを作っているのはズボラさに定評のあるSです。

 

さて、昨日は第二回のSF読書会をbeco cafe様にて開催でき、お越しくだっさ方々はもちろんのこと、陰日向にリツイートなどご協力いただいた多くの本好きの方々にも、篤く御礼申し上げます。

記憶の新しいうちに、出てきた意見やおすすめ本など、書き残しておきますので、よろしければ読書計画にお役立てくださいませ。

 

風吹きすさぶ西荻窪に、お越しいただいたのは総勢11名(幹事除く)。

今回の課題本は『重力が衰えるとき』(ジョージ・アレック・エフィンジャー/ハヤカワ文庫)。

第一回の読書会にて「著者近影がすごい」「そういえばもうすぐ復刊フェアだ!」ともりあがり、あれよあれよと決まった課題でございます(詳しくは第一回のレポをご覧ください)。

サイバーパンクSF・ミステリ・ハードボイルド・越境小説と様々な読み方ができる作品のためか、お集まりいただいた方々もジャンルミックス

SF的猛者あり、ミステリ好きあり、歴史好き、なんでもいけますあり、読書のサラダボウルや!

まずは自己紹介がてら、感想を全員からいただく形でスタートいたしました。

(ちなみにBGMはN様にお借りしたボブ・ディランのアルバム。タイトル「重力が衰えるとき」はディランの歌詞からひっぱっていることに絡めて。)

  • SFは星新一眉村卓でとまってます。でもこれは楽しめた!
  • 中東が舞台は珍しい
  • 当時の時代性を感じる。刊行は87年、ベルリンの壁も崩壊していない情勢のころ、これほど饒舌に中東文化圏を書けるとは
  • ボディ/ダディの設定が巧い(アニメや漫画のネタの原型にまで波及していた)
  • 大学時代推研や文芸倶楽部で課題になった本(SF研だけじゃない)
  • 浅倉久志さんの名訳が素晴らしい(「生まれてこのかたその噂を聞かされつづけて、せっかくここまでやってきたのに、見物もしないで故郷に帰れますか、というわけ。」などなど)
  • 若い頃はかっこよく感じたマリード(主人公)が、今読むとへたれにみえる
  • 正直、つまらない・・
  • SFと思って読むと肩透かしをくらう
  • 現代に読むと褪せてしまった部分もある
  • 自分のバックグラウンドにない土地・文化を使ってここまで書くのはやはりすごい
  • でもイスラムものなら「私の名は赤」(オルムン・ハンク)の方が意識に与える衝撃が強い
  • 掴みがうまい。ジェームズ・ボンドの登場は笑うためではなく、その後の組間の対立、諜報機関の暗躍などを端的に感じさせるこれ以上ない比喩。

 

 

など、最初から様々な意見が飛び交いました。

そもそも、サイバーパンクとはなんぞや、という話にもなり、宇宙ものから舞台が街に降りてきた、反体制の香りがあるということや、意識変容がひとつ大きなテーマだという話も。

(ここで私がおすすめしたのが「楽園追放 rewired」です。ほんとうにおもしろいですから!)

モディ(着脱可能な別人格)のもたらす悲劇(暴走?)が、この作品のラストの加点となるか否かは意見の分かれる部分でしたが、マリードがモディを使用するまでの底知れぬ恐怖は、この作品をSFたらしめる重要なポイントだったのかと思います。

 

そんなこんなで約一時間がすぎ、いちど休憩へ。

 

つづけてアップしたいところですが、本業が彼岸から働けメッセージを送っている気がするので、本日はここまで。

次回皆さまからのおすすめ本を一挙ご紹介いたします。

 

仕事は仕事、遊びは遊び!